【症例】虫歯が原因で欠けたセラミックインレーに対するフルジルコニアクラウン治療
治療内容
フルジルコニアクラウン期間
2ヶ月治療回数
4回費用
143,000円(税込み)治療前の主訴・状態
今回の患者さんは30代の女性の方で、数年前にセラミックのインレーを入れた歯が欠けてしまったとのことで来院されました。
レントゲンを撮影したところ、別の箇所から虫歯になり結果セラミックと接している歯が欠けている状態でした。
治療詳細
1日目
入っているセラミックインレーと虫歯を除去していきます。
その結果、残った歯の残量を元にどのような補強(補綴)をするかを決めていきます。
歯が一部残っていますが、どれも少なすぎて残したとしても欠けてしまったり折れてしまったりする可能性がありました。患者さんと相談の結果クラウンでの補綴となりました。
削ったところは仮の詰め物として、コンポジットレジンにて暫間修復してきます。
2日目
クラウン制作までの前段階として、歯をこのような形に削って仮歯を作っていきます。
3日目
クラウン制作の為の型取りをしていきます。技工士の北薗に制作していただきます。
4日目
制作してきたクラウンを装着していきます。
右の画像の青い印記が反対の歯とかみ合っている箇所です。他の歯と同程度の適切なかみ合わせが付与されます。
治療後の様子
患者さんからは「他の医院だと装着するときに何度も調整したり時間がかかったりしたが、こちらは調整せずに入って感動した」と満足の声をいただけました。
精密な型取りと技工士さんの技術により、今回は全く調整せずに装着することができました。
ただし、場合によっては多少の調整が必要なこともあります。特に咬み合わせが深い方や歯並びの悪い方(叢生と呼びます)などは調整することが多いと感じます。
主な副作用・リスク
- 知覚過敏
・歯を大きく削ることで象牙質が露出し、冷たいものや熱いものがしみることがある。
特に治療直後は神経が過敏になり、しみやすい。
- 噛み合わせの違和感
・装着直後はクラウンの高さや形態が微妙に合わず、噛んだときに違和感がでる場合がある。
- 痛みや神経のダメージ
・深く削ることで神経に負担をかけてしまい、治療後に痛みが出ることがある。
・刺激により神経が炎症を起こすと、後に根管治療(神経を取る処置)が必要になる場合がある。
- 歯の破折リスク
・神経がある歯でも、大きく削ることで歯質が弱くなり、将来的に破折する可能性がある。
- クラウンの脱離・破損
・外力によりクラウンが外れることがある。
・噛み合わせが強い場合や歯ぎしりがあると、一部、または全部が欠けることがある。
- 経年的な変化
・時間が経つと歯とクラウンの間に二次的な虫歯ができるリスクがある。
インレーとクラウンのメリットとデメリット
今回の症例のように
1.神経が残っている。
2.既に治療されている(今回はセラミックインレー)
3.別の虫歯が発生している
この3つが揃っている場合残っている歯が菲薄なことが多々あります。
今回であれば以下のような説明となります。
①インレー
・菲薄ではあるが残った歯を温存して治療を完了できる
・治療回数が少ない
・(クラウンと比較して)削る量が少ないため神経へのダメージが少ない
・一般的にクラウンよりも金額が安い(各医院によります)
・温存することで、歯ぎしりや硬いものを噛んだときに歯が欠けてしまう可能性や最悪のケースでは根の先まで亀裂が入り(破折と呼びます。)抜歯となることもある
②クラウン
・全周が修復物で覆われるため、強度が元々の歯よりも上がり破折リスクが大幅に下がる
・(インレーと比較して)2次的な虫歯になりにくい
・全周を削るため、神経へのダメージが大きく、術後に冷たいものが染みる症状が出ることや、最悪神経を取る可能性もある
・治療回数が多い
・一般的にインレーよりも金額が高い
このような説明から患者さんと相談のうえ、どちらにするか決めていきます。
当院では必ず患者さんと協議の結果、納得してもらったうえで治療へと進んでいきますのでご安心ください。
虫歯、修復物除去後の歯の状態を写真などで共有しながら全ての選択肢をメリット・デメリット含めてご説明し、決定したうえで治療を進めてまいります。
ご自身が納得できる歯科治療を行いたいと考えておられる方は、三好歯科 自由が丘へ是非ご相談ください。
三好歯科 自由が丘 歯科医師 望月
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