【症例】昔抜歯した前歯に対してジルコニアブリッジにて治療
治療内容
フルジルコニアブリッジ(カンチレバー)期間
2ヶ月治療回数
4回費用
528,000円(税込)患者様は、40代女性の方で、20年前に抜歯した以降治療していなかった上の前歯を治してほしい、とのことで来院されました。
上の歯の左右2番を20年ほど前に抜歯し、両隣の歯に接着剤で固定して過ごしていたそうです。何度も外れるなどご不便は感じていましたが、治療するにあたって他の歯を削ることに抵抗があったため、そのままで過ごしておられました。
当院の「接着ブリッジ」のブログ(【症例】矯正治療後の先天欠如歯に対する接着ブリッジ)を読んでくださって来院されました。
接着ブリッジは歯を削る量は最小限ですが、咬み合わせ、歯ぎしりの程度などによって推奨されないケースがあります。
何度かカウンセリングさせていただいた結果、接着ブリッジではなくカンチレバーブリッジにて治療することになりました。
<カンチレバーとは>
カンチレバーは(通常は垂直な)支持部材に一端が固定されており、かつもう一端が突出した梁やプレートなどの剛性構造要素を指します。例えば水泳プールにある飛び込み板は、カンチレバー構造の代表的な形です。(引用 wikipedia)
治療詳細
上の写真は
仮歯を装着したところです。
装着当日なので歯茎の炎症などがありますが、数日で消えます。
この状態で生活していただき、発音、舌触り、見た目などが問題ないか確認し、調整を行います。調整後の写真はありませんが、右上2の歯の長さと形が気になるとのことで調整を行っております。
最終的なものの制作のため、型取りをおこなっていきます。
実際にはこの程度歯を削っています。
※3番の歯肉が緑色をしているのは’’歯肉圧排(歯と歯肉の境目を明確にするために、歯肉を一時的に押し広げる処置)’’を行っているからです。このステップにより被せ物の適合は向上します。
問題がないことを確認したら、最終的な被せ物を制作していきます。
審美領域での治療ですので、歯科技工士の北園さんに直接医院に出張していただき、色合わせの写真を撮影していただきました。
治療後の様子
装着時の状態です。
若干の歯茎の発赤などがありますが、数日で収まります。
装着後1ヶ月経過したところです。
歯肉の発赤も治り問題なく経過しています。
装着当日は、歯の乾燥によって若干被せ物の色が合わないように見えていましたが、日数が経ち歯に水分が戻るととても良く馴染んでいます。
主な副作用・リスク
・通常のブリッジに比べて、支えとなる歯の本数が少ないため、強度や長期的な安定性が劣ります。そして、支台となってる歯に対して負担がかかり、最悪歯根破折の可能性があります。
・経年的に歯肉が下がってくると、ダミーの歯と歯肉の隙間に空間ができ物が挟まるなど、見た目が悪くなる可能性があります。
三好歯科 自由が丘は、患者様それぞれのメリットデメリットを提示し治療選択をサポートいたします
前歯の欠損に対する対応は、インプラントなどが王道ではありますが、今回のようにインプラントを避ける選択肢もあります。しかし、ブリッジの特性上、支えとなってる歯に対しかなり負担を強いることになり、いずれその歯を抜歯に導く可能性があります。
そのようなデメリットがある中、通常のブリッジではなくカンチレバーブリッジを選択する最大のメリットは、むし歯も何も無い両サイド1番(真ん中の2つの歯)を一切削らずに済むという点と、条件の悪いインプラントを回避できるという点です。(抜歯後、年単位で時間が経つと骨が減っていくため条件が悪くなります。)
今回のケースでは、そもそも患者様がインプラントは嫌である、という状況だったためインプラント回避が単純にメリットになりました。
接着ブリッジのほうが、より削る量は少ないものの、咬み合わせや条件次第ではどうしても難しい場合はカンチレバーブリッジになります。
当院が患者様と向き合う上で最も大切だと考えていることは、患者様自身がそれぞれの選択肢のメリット、デメリットを理解した上で治療方針の選択していただくことです。
何か気になる事がございましたら、お気軽にご相談ください。
三好歯科自由が丘 歯科医師 望月
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