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歯の詰め物の素材(マテリアル)とそのメリット・デメリット 2021年最新版

歯の詰め物の素材(マテリアル)とそのメリット・デメリット 2021年最新版

こんにちは、三好歯科 自由が丘 院長の三好健太郎です。

2020年1月19日HP記載のコラム『歯の詰め物の素材(マテリアル)とそのメリット、デメリット』の記事を更新して2021年最新版としてアップしました。

我々歯科医師は日々研鑽を積んでいます。セミナーや勉強会、学会等、様々な『学び』が存在しますが、我々開業医は『最も患者さんから近い存在』です。
その臨床経験という最も実践的でダイレクトな情報から日々学び、考えや知識をアップデートすることが最も大切だと考えております。

また近い将来、ここへ記載していることが覆る可能性や新たな先進材料が出てくる可能性があること、医学とはそういうものだということを理解していただければ幸いです。

我々医療従事者は、その時代ごとに様々な条件を考慮し『最も有益な選択肢』を患者さんへいくつかご提示した上で、患者さんご自身で治療を選択していただく(インフォームド・チョイス)ことが医療において大切だと考えております。さまざまな選択肢から自由に治療を選ぶ権利は患者さんにあるのです。

また、以前のコラムにも書きましたが、歯科医師ごとに考えが異なる事もよくあることです。ここに書いてあることはあくまで私個人の見解も含まれていることを前提にお読み頂けたらと思います


このコラムは、歯科治療で患者様のお口に入る素材についてのお話です。
歯科医院で使用する一時的なお薬や仮蓋も素材には含まれますが、このコラムでは「歯の詰め物」の素材についてふれていきます。

虫歯(う蝕)治療や根管治療(歯の根の治療)で必要になるものに、歯の詰め物(インレー)と被せ物(クラウン)があります。

歯の被せ物(通称 クラウン)については、条件は様々で例外もありますが、基本的には『歯全体を覆っており、歯は存在しているがクラウンが入ると外から内部の歯は見えなくなる』もののことを指します。

詰め物は簡単に言うならば『クラウンに至るまでの過程で充填・装着するもの』であり『歯の一部を覆い、残っている歯と詰め物が同時に外から見えるもの』です。

大きさは インレー<(アンレー)<クラウンとなります。

歯の被せ物についてはこちらもご参照ください。

歯の被せ物の素材(マテリアル)とメリット・デメリット ※更新予定 

 

では具体的に詰め物の種類を1つずつ記載していきます。

皆様も歯医者での虫歯(う蝕)治療で『保険の金属にしますか?自費の白いものにしますか?』という質問を受けた方もおられるのではないでしょうか。

日本の歯科治療は保険適用のもの(保険診療)と保険適用外のもの(自費診療)がその都度出てきて非常に複雑です。
しかし、裏を返せば患者様のニーズによって様々な選択肢があるということです。

ホームページの下記のページもご参照ください。
三好歯科 自由が丘|診療メニュー| 補綴歯科・歯のホワイトニング|あなたに合った補綴物をご提案いたします

三好歯科 自由が丘 虫歯治療で歯の詰め物をする院長

 

 

歯の詰め物の種類とそのメリット、デメリット

下記に記載する内容は私の意見、個人の意見が入ります。全ての歯科医が同じ意見では無いということを事前にご了承ください。

1,保険診療における歯の詰め物の種類

1-1 コンポジットレジン(レジン、CR、コンポジット)

皆様の歯に1つは入っているような、身近な歯の詰め物です。
樹脂(プラスチック)と表現されることが多く、後述する『インレー』と違いその場で形を歯科医が詰めながら成形するため、『充填する』と表現されます。インレーは『装着する』と表現することが多いです。
充填するものとしては他に『アマルガム』という金属が存在していますが、今ではほとんど見かけなくなり、やっている先生も少ないため割愛いたします。

  • メリット
    1. 基本的に保険適用の治療なので安価(ダイレクトボンディングと称される自費のものもあります)で治療できる。
    2. 色が白く、段階別に用意されているため、保険のものでもある程度歯の色に合わせることができる。
    3. インレーと違い型取りの必要性が無いため、その日に治療が完結することがほとんど。
    4. 削る量が最低限で済む。理由→インレーと違い、装着したものが取れない(脱離しない)ようにするための形をそこまで意識する必要がないため、虫歯を削った部分のみに詰めることができる。
    (レジンも脱離することがありますし、脱離を防ぐために削る形も少しは意識しますが、インレーより削る量が少ない)

  • デメリット
    1. 吸水性があり、劣化しやすく、時間が経過すると見た目に影響が出てくることが多い。
    2. 水分に弱いため、充填時に唾液や血液が入ると予後が非常に悪い。
    3. 範囲の大きな虫歯の修復にはあまり適さない。
    4. 奥歯の歯と歯の間の虫歯の場合、見た目ではわからないがきちんと充填されずに段差や隙間ができてしまっているケースが多く、もう一度そこが虫歯になる2次カリエスになってしまうケースが多い。
    5. 物理的にあまり強くはないため、範囲や部位によっては欠けてしまうこともある。

  • 総評
    コンポジットレジンは、使い勝手は良いが歯科医師の技術や口腔内の環境に左右される歯の詰め物と言えます。
    唾液を避けるためのラバーダムを、保険のコンポジットレジン治療で毎回行う医院は多く無いでしょうし、口腔内の清掃状態が悪ければ簡単に出血して止血できずに詰めることができなくなります。
    ではきっちり詰められる事が前提となった場合はどうでしょうか?
    答えは『悪くない』と言える思います。とびきり良いとは言えないと私は考えております。
    どこまでクオリティが高くても、レジンのデメリットである『破折・劣化・変色・吸水』は起こってしまうため、あまり広範囲の治療には適していないと考えております。
    しかし、小さな虫歯等に関してはできるだけ歯を削らずに治療できる優秀な材料でもあります。

 

1-2 メタルインレー・アンレー(保険適用、金銀パラジウム合金)

保険で治療できる小さな金属の歯の詰め物です。
最近だと、審美の問題で金属の詰め物が入っているのが嫌なので全て白い詰め物ものへ変えてほしいという方が多いです。

  • メリット
    1. 保険適用のため、値段が安くコストパフォーマンスに優れている。
    2. 歯科技工士さんが口の外で作製を行うため、歯と歯の間などレジンだと難易度が高い場所でも形のエラーなどが少ない。
    3. メタルインレー自体は唾液や血液の影響を受けない。(型取りや装着の時は影響を受けてしまうため注意)
    4. レジンに比べ強度が高く、欠けるということはほとんど起こらない。
    5. 比較的範囲の大きな虫歯等の修復が可能。

  • デメリット
    1. 見た目が銀色のため審美的ではない。
    2. レジンほどではないが経年劣化が起こる。
    3. 歯が若干黒ずむことがある(歯茎が黒ずむのは、傷ついた歯肉に金属を削ったカスが入り込んだ際に起こります)。
    4. 型取りが必要な材料のため、少なくとも2回の治療が必要になる。
    5. 金属アレルギーの可能性がある。生体への親和性が疑問視されている(いくつかの金属イオンに対して)

  • 総評
    皆様が思っているより悪くはありません。
    世の中の風潮が『メタルは悪、メタルフリーへ』となっているだけで、レジンを選択するより良いことも多いです。
    しかし、審美においてはやはりどうにもならないため、後述する自費材料の検討が必要になります。

歯の詰め物の素材(マテリアル)とそのメリットデメリット 2021年最新版|三好歯科 自由が丘|金属の歯の詰め物とセラミックの歯の詰め物

 

※自費の歯科材料のご説明に入る前に
『オールセラミック』という単語は非常に広い意味で使われ、後述するジルコニアという材料も元々の言い方をするとオールセラミックです。
しかし、混乱するため別物として記載していきます。
実際に物性等には違いがあるため別物と認識していただいてOKです。

 

2,自費診療における詰め物

2-1 オールセラミックインレー・アンレー(通称e-max)

皆様がよく聞くセラミックだと思っていただいて問題ありません。
後述するハイブリットインレーとは別物なのでご注意ください

  • メリット
    1. 見た目が非常に綺麗。
    2. 着色や劣化を起こさない。
    3. レジンに比べ広範囲の虫歯でも治療可能。
    4. 表面に傷が付きづらいため、プラーク等の細菌や汚れが付着しにくい。
    5. 技工士さんが口の外で作製を行うため、歯と歯の間などのレジンだと難易度が高い場所でも形のエラーなどが少ない。
    6. 生体親和性が高い

  • デメリット
    1. 力が強くかかる部位などでは割れる(破折する)可能性がある。
    2. 強度を保つためにセラミックを分厚くする必要があり、その分歯を削る量が多くなる。
    3. 自費診療のため費用が高い。
    4. 型取りが必要な材料のため、少なくとも2回の治療が必要になる。

  • 総評
    非常に優秀な歯科材料です。
    審美性も兼ね備えているため、悪い要素は少ないと言えます。
    歯を削る量も、元々の虫歯が大きめならそこから更に多く削るわけではないため問題はありません。
    生体への親和性も良く、アレルギー等の心配もありません。
    しかし、歯磨き等の習慣によっては当然虫歯になりますし、何より保険外治療のため高額です。
    お金をかけてでも見た目にはこだわりたい方は、第一選択になってくる材料だと言えます。

 

2-2 ハイブリットレジンインレー・アンレー

歯科医院によってはハイブリットセラミックとも呼ばれたりしますが、これは結論『レジン』です。
つまり最初に説明したコンポジットレジンに近い性質になりますが、強度を上げるためにセラミックフィラーというものが入っており、通常のレジンよりは物性が強化されております。
レジンにセラミックを少し混ぜたものという説明がわかりやすいかと思います。

  • メリット 
    1. 見た目が綺麗。
    2. レジンに比べ広範囲の虫歯でも治療可能。
    3. 技工士さんが口の外で作製を行うため、歯と歯の間などのレジンだと難易度が高い場所でも形のエラーなどが少ない。
    4. オールセラミックよりも安価である。
    5. 生体親和性が比較的高い

  • デメリット
    1. 力が強くかかる部位などでは割れる(破折する)可能性がオールセラミックより高い。
    2. レジンの性質を引き継ぐため経年劣化による色の変化、摩耗等が起きる。
    3. 強度を保つため分厚くする必要があり、その分歯を削る量が多くなる。
    4. 自費診療のため費用が高い。
    5. 型取りが必要な材料のため、少なくとも2回の治療が必要になる。

  • 総評
    結論は個人的に『微妙』かと思います。
    そのため当院では基本的には非推奨です(ラインナップにいれておりません)。
    詰めた直後はキレイでも、本質はレジンのため吸水性があり経年劣化を起こす可能性を考えると、審美という観点と漏洩(感染)の観点から少し心配な歯科材料です。
    値段が比較的安い(オールセラミックより1~2万ほど安いことが多い)ため、その点は利点だと思います。
    今後更新予定の『歯の被せ物の素材(マテリアル)とメリット・デメリット』で登場する保険適用のCADCAM冠は、分類分けをするならばこのハイブリットレジンに属します。

 

2-3 オールジルコニアインレー・アンレー

最新の審美的な白い歯科材料です。
簡単な説明をするならば、強度が高いためセラミックで不安だった破折のリスクがかなり低くなったものです。
(少し混乱を招くかもしれませんが、ziは金属元素ですが、分類はオールセラミックです)
しかし、審美的には同じ白い詰め物でもオールセラミックに劣ります。
また、インレー(詰め物)とクラウン(被せもの)で条件が異なります。

  • メリット 
    1. 見た目が比較的綺麗。
    2. 強度が高いため、力のかかる部位にも使用できる。     
    3. 着色や劣化をしない。
    4. レジンに比べ広範囲の虫歯でも治療可能。
    5. 表面に傷が付きにくいため、細菌が付着しづらい。
    6. 技工士さんが口の外で作製を行うため、歯と歯の間などのレジンだと難易度が高い場所でも形のエラーなどが少ない。

  • デメリット 
    1. 色を再現するのが困難のため(特に透明感)、オールセラミックほど審美的ではない(特に詰め物=インレーの場合は自分の歯との色の違いが分かりやすい)
    2. 自費診療のため、高価である。
    3. 型取りが必要なため、最低でも2回の治療が必要になる。
    4.インレーの場合、製作自体の難易度が高く、症例を選ぶ。

  • 総評
    これからの時代は、間違いなくほぼジルコニアになってくると言えるような優れた歯科材料です。
    現時点ではいろいろと課題も多く、インレーの場合は製作自体が難しいこと、硬い材料のため噛み合わせる歯への影響(今の所はっきりとした悪影響のエビデンスはない)や接着をどうするか?など模索をしていることも多いですが、既に総じて優秀な歯科材料です。
    特にクラウンはインレーより製作難度が低く、現時点で主流な審美材料です。

 

2-4 ダイレクトボンディング

レジンの自費診療バージョンと言って差し支えありません。

  • メリット 
    1. 色の種類が豊富なため、歯の色調を再現しやすい
    2. 保険診療のレジンよりも環境を整えて治療するため精度が高い
  • デメリット
    1. 保険診療のレジンより強度が高いものが多いが、レジンの性質は変わらないため、劣化・着色等は起こる
    2. 歯科医師の技術に左右されることが多い

 

2-5 ゴールドインレー・アンレー

金属=悪いものと考える方もいらっしゃるようですが、それは間違いです。
ゴールドの歯科材料は非常に歴史が長く、人の口の中で何十年も問題なく経過した症例が多く存在し、エビデンスを含めてほぼ非の打ち所がない材料です。

  • メリット 
    1. 生体親和性が高い。
    2. 強度があるため、薄くても製作が可能(歯を削る量が少ない)。
    3. 保険の金属に比べると、ほぼ劣化が起きない。
    4. ゴールドは柔軟性があるため、歯と同じようにすり減ってくれる(体の変化に柔軟)。

  • デメリット
    1. 金色のため見た目が良くない。
    2. 自費診療かつ材料自体も高価なため、非常に値段が高い。
    3. 型取りを行うため最低でも2回の治療が必要になる。。
    4. 技工士さんが口の外で作製を行うため、歯と歯の間などのレジンだと難易度が高い場所でも形のエラーなどが少ない。
    5. 金属アレルギーの可能性がある

  • 総評
    『見た目がゴールド色である』『金属アレルギーの可能性』
    この2つのデメリット以外、右に出る材料は無いと言えるほど素晴らしい材料です。
    医学の世界は古くから使用されているから良くない、ということは全くありませんし、逆に新しいから良いというわけではありません。

 

歯の詰め物の素材(マテリアル)とそのメリット・デメリット 2021年最新版 まとめ

いかかでしたでしょうか?今回は歯の詰め物についてのご説明でしたが、最後に分かりやすい言葉で私なりの詰め物の選び方をご説明します。

見た目にこだわる場合→『オールセラミック、オールジルコニア』
見た目を気にしないor見えない場所の場合→『ゴールド』
見た目も少し見えるが力が非常にかかるor歯ぎしり等がひどい場合→オールジルコニアorゴールド
力はそこまでかからないが見た目が結構気になる場合→オールセラミック

この選び方で基本は問題ないかと思います。
しかし、最終的にはかかりつけ医の診断が全てなので、歯科医師とよく相談して決定するようにしましょう。

 

三好歯科 自由が丘ではこの材料説明の時間をインレー・クラウンが必要になった全ての患者様に共通してお話をしております(初めから材料の希望があった場合などは除く)。
何か不明な点があればお電話で予約を『材料の相談』と伝えてとっていただけたらと思います。
材料やその他の質問に関してお電話での回答は基本的にいたしかねます。
予めご了承ください。

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