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【症例】早期発見の虫歯に対する歯をほとんど削らないダイレクトボンディング治療

【症例】早期発見の虫歯に対する歯をほとんど削らないダイレクトボンディング治療

治療内容
ダイレクトボンディング
期間
1日
治療回数
1回
費用
55,000円×2本=110,000円(税込み)

今回の患者さんは20代の女性の方で、「古い詰め物を交換したい。しみる。」というお悩みで来院されました。

下記の写真を御覧ください。歯と歯の間にコンポジットレジン修復がされています。

若干の劣化が見られ、歯とコンポジットレジンの間に茶色の線ができています。
これはコンポジットレジンの劣化によって歯との接着界面が一部剥がれてしまい、色素が入り込んでいる状態を表します。つまり隙間があいています。この隙間にはもちろん、虫歯の原因である細菌も入り込める隙間です。
この患者さんはしみる症状がありましたが、大抵はコンポジットレジンの劣化、界面の隙間でしみることは稀です。

治療前の画像|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

治療詳細

虫歯の画像|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

むし歯|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

 

まずは大部分の古いコンポジットレジンを除去していきます。
ある程度除去したらう蝕検知液(虫歯を染めるもの)にて青く染めていきます。

黒丸で囲んだ箇所がむし歯になります。

コンポジットレジンの劣化は、汚れの溜まりやすいところほど進みます。

特に歯と歯の間(隣接面)の歯肉付近(歯頚部)は歯ブラシが届きにくく、フロス、タフトブラシ、歯間ブラシなどを適切な使い方で使用しなければ汚れを取り除くことができません。

コンポジットレジンの2次的な虫歯は、このようなところから始まります。ほとんどの人はここからむし歯が始まっても自覚症状はありません。

歯と歯肉の間なので、私達も口の中を見ただけでは虫歯が進んでいるかはわからないことが多いです。レントゲン撮影を行うことで発見できる可能性が高まります。

治療の詳細|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

ここからラバーダム防湿を行い、神経に近い虫歯を取り除いていきました。

ラバーダム防湿を行って神経に近いむし歯を取り除いている画像|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

先に手前の歯を充填します。

歯を充填している画像|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

奥の歯も充填し終えました。

 

ここからラバーダムを取り除いて微妙な形態修正、バリの除去、研磨を行っていきます。

治療後の様子

治療終了です。

アフター画像|【症例】コンポジットレジンの劣化でできた虫歯治療とダイレクトボンディングによる白い詰め物のやりかえ治療|自由が丘の歯医者 三好歯科 自由が丘

主な副作用・リスク

1.経年劣化が起こる

コンポジットレジンは、時間経過とともに変色や着色が起こります。虫歯と勘違いされることも多いですが、ほとんどが着色や変色による汚れです。充填部分を中心に、黒や茶色の模様がだんだん目立つようになります。この劣化スピードは患者さんのプラークコントロール(歯磨きのクオリティ)に、ある程度依存すると言われています。

 

2.二次カリエスのリスクがある

二次カリエスとは、虫歯治療を行った歯が、再び虫歯になることを言います。より高い接着技術により、隙間ができないようにコンポジットレジン充填をしますが、年月が経てばどうしても、天然歯と充填物の間に隙間が生じやすくなります。一度でも虫歯治療を行うと、目に見えないほどの隙間(段差)の部分に歯垢(プラーク)がたまり、虫歯になりやすくなってしまいます。

 

3.脱落や破折が起こる

強い衝撃が加わったり、接着部が劣化したりすると、コンポジットレジンが脱落や破折することがあります。噛み合わせが悪い場合も、同様のことが起きる可能性があります。

 

4.ダイレクトボンディングが適応できない部位がある

充填する材料がプラスチックなので、噛む力をもろに受ける箇所や、治療する歯の面積が広すぎる場合は、向いていません。基本的には、「小さな虫歯がある部分」「前歯の隙間や欠け」などの治療に適しています。ご自身が適応可能かどうかは、事前に担当の歯科医師とご相談ください。

虫歯の早期治療と検診の意義

今回の症例は患者さんが症状を認識していたため、早期発見することができました。また、 虫歯も幸い小さかったため、追加で歯を削る必要がほとんどありませんでした。

しかし私の日々の診療では、大抵の場合、無症状のまま更に進行したむし歯に対して治療を行うことが多いのが現状です。進行していると今回のようなダイレクトボンディングの適応を超えてきてインレーやクラウン、さらには根管治療が必要になっていきます。このような大掛かりな治療になると大きく歯を削ることになるため、抜歯までのタイムリミットを大幅に短くしてしまいます。

ほとんどの歯科治療は、歯の延命治療であり、治療できる回数にも限度があります。日々の食事や、睡眠時の歯ぎしり・ 噛みしめによって、口腔内は歳を重ねるごとに変化していきます。さらに、人の歯牙と歯科治療に用いる材料は硬さや見た目、物質の性状が異なります。そのため、今回のダイレクトボンディングに用いてるレジンも欠けてしまったり取れてしまったりなどトラブルを起こします。このパターンなら患者さんは「歯科医院に行こう」。と思うでしょう。

一方で、今回の症例のように少ししみるが生活に支障がない程度の場合は、緊急性を感じないかもしれません でしょう。

私の経験上、虫歯の大きさと痛みの相関性はあまりないと感じます。とても大きな虫歯でも全く痛みを感じない方もいれば、非常に小さな虫歯でも症状のある方もいます。私たち歯科医師が「定期検診に来てください。」としつこく伝える理由はここにあります。

虫歯になり、歯科医院で治療をしているときは歯に対するモチベーションも高まっている方が多いため「もう虫歯や、歯周病になるまい」と歯磨きをいつもより入念に行うはずです。しかし治療が一段落して検診になった途端にモチベーションが消え去る方がいます。検診のタイミングとなっても気が乗らないでしょう。

そのまま忘れてしまったり医院から検診のメール、電話やはがきがきても後回しにしてしまってそのまま行かなくなってしまう。そういった心当たりがある人もいるのではないでしょうか。しかし、虫歯の進行は症状と必ずしも比例しません。痛みがないからといって安心できないのが虫歯の怖いところです。

当院ではドクターによる検診(クリーニングなし)などの予約も承っております。

気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。

 

三好歯科 自由が丘  歯科医師 望月

 

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