歯科治療Q&A

SNSより寄せられた歯科治療の
質問への回答をご紹介します。

一部編集しておりますが、できるかぎり原文のまま掲載しています。
また、専門用語含めて、質問された方が書かれた言葉を敢えてそのままにしております。

根っこの先に膿が溜まってる、細菌がいるかも

2026.03.10

質問

根管治療

質問

歯の被せ物が取れて歯医者へ行きました。レントゲンを撮り説明されましたが、根っこの先に膿が溜まってるかもしれないし、根っこの中に細菌がいるかもしれないので被せ物したら痛くなるかもしれない。
また土台が外れてくるかもしれないけどどうしますか?被せ物セットしますか?と言われました。

すぐにつくだろうと思っていた自分はもう途中から早く付けて欲しかったので先生を急かして付けました。
自分の診断に頼りない先生だったのだと思いました。

歯科医師なら大丈夫!問題ない!とか患者を安心させれれるような治療できないものなのでしょうか?

回答

回答

我々歯科医師にとっては勉強になる患者さんからの印象が際立つ質問かなと思います。
なので、長文で回答します。
(見返したらまとまりが悪いですがすみません)

今回患者さんが記憶に残っている主治医の発言3つ

1、根っこの先に膿が溜まっているかもしれない

2、被せ物をしたら痛くなるかもしれない

3、また土台が外れてくるかもしれない

この3つ、結論から言うと全て正しいです。
また、歯科医師にとって言い切るという行為はある一部を除いて自〇行為です。
だからこそ曖昧な表現が出てくる。
本当に自信がなかったのかもしれませんが、まぁ言い方を間違えたらこうなるっていう代表的なエピソードですね。

僕は患者さんを見ていませんので、見当外れなことを言う可能性はご了承ください。

まず、”根っこの先に膿””土台”というワードがあるということは100%過去に神経を取った歯であるということが分かります。
(今は使わないワードですが、患者さんがよく言う差し歯ってやつです。今回は差し歯が取れたってことです)
また、被せ物だけ取れたのか、被せ物&土台が取れたのかは不明ですが、主治医の
「また土台が外れてくる〜」的な発言から土台ごと取れたのかもしれません。

僕がまず敢えて言い切ることとしては
医学的に考えたら土台ごと被せ物が取れたなら根管治療からやる以外の選択肢なんて存在しません。
理由は細菌感染が起きていないという方が無理があるからです。
また、そんな土台や被せ物を元に戻しても確実に取れます。
土台ごと取れるなんて一大事なんですよ。

1回目より2回目、2回目より3回目のほうが例外除いて取れるまでのスピードも上がります。

根管治療をしないという選択肢があるとしたら、
既に根が割れていて、抜歯適応のパターン
もう1つが大事ですが、
患者が嫌がったり、やる必要のない治療を勧められたなどとクレームをつけられるのを怖がって、言い切れないパターンです。

この根の先に膿が溜まると言う巷でよく使われる表現、僕ならまず使わないのですが、ここでは敢えてその言葉に乗るなら

膿が溜まっていても無自覚、無症状がありえる。
治療をしても100治るどころか7割成功すれば良い方に入る。
時間も回数もかかる。
そして、レントゲンで膿が溜まってないように見えてもそれで大丈夫かどうかが全くわからない。

という性質を持っています。

そして、土台ごと取れるなんて何か原因無しではほぼあり得ません。
根が折れたか、設計が元々悪いのか、噛み合わせの問題もあるのか、中にむし歯があるのか分かりませんが、また必ず取れます。
それが明日なのか、1年後なのか、3年後なのかは僕は診ていないので分かりません。
1つだけ言えるのは、土台ごと取れてしまうことと根の先の膿が溜まっているかどうかという話は基本的には別の話です。

この主治医は質問者さんの被せ物を元に戻すことを嫌がったのではなく、
戻したものがすぐ取れたり、
被せ物とは関係がない根の病気で後から痛みが出て、結果的にそれが患者さんの見当外れな解釈によって自分へのクレームに繋がるのを恐れ、戻すことのデメリットを話そうと全てにジャブを打とうとしたってことです。

僕から最後にまとめます。

つけていたものが〇年経過して外れたとして、元に戻してバッチリ大丈夫なんてことはあり得ません。
応急処置の付け焼き刃もいいところです。
結果的に痛みなく外れることなく〇年もったらそれはラッキーです。
もし細菌感染などで病気が始まりつつあれば、取れない&痛みがないことは逆に不幸をもたらします。

今回のように根管治療を過去にしていた歯が脱離したのなら、ましてや土台ごと取れたのなら状況にはよりますが根管治療しなくて大丈夫!OKだよ!
なんて絶対に言い切れません。
やらないとダメかと言われれば、わからん。ってのが正直なところです。
僕らは白黒つけるのではなく、悪いことが起きる確率を下げる作業をするだけです。
作業を飛ばせば確率があがるだけです。

そして作業を飛ばす理由の多くは患者の希望、もといワガママであることが世の中的には多いですね。

説明や相談の時間を潤沢に取れない保険診療の現場ではまぁこういう行き違いはたくさん起きるでしょうね。
適当に言い切る先生だっているはずです。
本当のことをきっちり伝えるって時間がかかるんですよ。
で、今回のような不信感につながるなら適当に言い切ったほうが良かったんじゃない?って先生が一定数出てきます。

僕はそれは結果として一時的なヌカ喜びにしかならないし、患者が損をすると思ってますが、時に必要な言葉という麻薬でもありますね。

僕はその”薬”の取り扱いにかなり長けた人間だと思っていますが、あまり嘘はつきたくないんですよね。

しかし、日本の多くの歯科医院で歯科医師が治療もせずに60分〜単位で話だけしてる医院なんてそうそうないのも事実です。
普通ならやろうともしませんからね。

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